exhibition for “SYNESTHESIA” vol.3exhibition for “SYNESTHESIA” vol.3

開催概要

タイトル

「exhibition for “SYNESTHESIA” vol.3 ~未来を創造する共感覚~」

会期

2022年7月15日(金)~7月31日(日)12:00〜19:00(最終日は17:0016:00まで)

会場

YOSEIDO銀座店 B1F FUTURE LABO

ステートメント

今回で3回目を迎える「exhibition for “SYNESTHESIA” vol.3 ~未来を創造する共感覚~」は、アーティストのneuronoaがYOSEIDOとのコラボレーションプロジェクトとして主宰する現代アートのグループ展です。

本展示は、ご覧頂く皆様にアートを通して感性のアップデートや新しい価値観の醸成に繋げて頂くことを目的として、8名の気鋭アーティストにお集まり頂きました。

展示タイトルにある"SYNESTHESIA(シナスタジア)"とは文字や音に色を感じたり、味や匂いに形を感じたりする感覚を意味しています。
8名のアーティスト達が織りなす多様な表現から、皆様の中にある何かと出会うきっかけになれたら嬉しく思っております。

neuronoa / ニューロノア

展示コンセプト

社会が変革するとき、新たな価値を生み出すとき。
そこにはいつも、新たな未来を信じ、そこに貢献したいというビジョンを持った「人」が存在します。
その一方で、多くの「人」が常に自分のビジョンを模索しています。

本展示はアートを通して感性のアップデートや新しい価値観の醸成を目的にしております。
色や形といったアートの表面的な評価だけでなく、作品に込められた想いやコンセプトからもその価値を伝え、
閲覧者の観察力、多様性への理解や美意識への気付きとなり、
日々の生活に新たな視点を取り入れる「きっかけ」となるような展示にしたいと考えています。

アートが作るのはモノだけではない。それは見る人の中に何かを生み出す。
アートは常に変化する。それは見る人の視点で変化し続けていく。
世の中へ新しい視点を投げかけるアート。
本展示が、未来を創造するトリガーとなることを願って。

参加アーティスト

※五十音順

浅井うね

90年和歌山県出身。 2013年からグラフィックデザイナーとして活動し、2021年よりアーティスト活動開始。 幼い頃から何かに集中するとうねうねとした透明の物体が視界に現れる現象を持っており、 その不思議な正体を追求したいという思いから「うねうね」をモチーフとした作品を制作する。 特に、瞑想をしている時それらがよく視界に現れることから 瞑想の世界観を表現するために「うねうね」を作品に用いている。

奥天昌樹

奥天昌樹は美術史におけるコンテクストを画面上から意図的に取り除くことで、絵画が孕んで しまう美術史的な背景や絵画空間内に配置されたモチーフから伝わってしまう過剰な意味性を シャットアウトし、美術史によって解釈される範囲よりもさらに広く普遍的な感覚で人々が触れ ることのできる絵画表現に取り組んでいます。

作品との出会いは人と人との出会いのようにアクシデントめいたものとして捉えており、キャンバスをカットし支持体に手を加えることで、作品が設置される空間内でより際立った異物のよう な存在感と物質感を与えます。シェイプドキャンバスは四角形の紙の隅をちぎるような感覚で作られており、鑑賞者が矩形のフィールドから解放された絵画空間に飛び込むことを可能にする役割も担っています。

「新生児の甥との出会いから始まり人間としてのアイデンティティを獲得する前の5歳未満の幼児の落書きに原始的な線を感じた」と作家は述べています。作品内の真っさらな線は幼児期だったころの他者の落書きのフォルムであり、マスキングにより画面深部から最前部に表出することで、旧く遥か彼方の洞窟壁画の描き手と筆談するかのように時空を超越しつつ、一つの絵画空間内でそれぞれの存在を繋ぎ合わせます。

幼少期の記憶は本人が覚えているか覚えていないかには関わらず誰もが経験として本来持ってい るものです。そういった記憶や感覚に鑑賞者が思いを馳せることができるよう、画面の深部に転写した記憶の手がかりを追憶し対話するように絵の具を重ねていきます。そうして層状に被覆されたマスキングを最後に剥がすことで、これまでの絵の具の階層を貫く白いラインを残してフィニッシュします。この行程の理由を作家は「描画材が生まれる前の線の成り立ちは轍や削られた溝のようなものが最初であり、その理屈で言うと線というのは凹凸になっているのが自然である」と語っています。 真っさらな白線とエフェクトだけが残され何か中心が抜け落ちたような絵画空間は、人物の気 配だけが焼きつけられた不在のポートレートのようでもあります。これは自身の存在感をあえて作品に残さないことで、画面に描いた他者の痕跡を純度の高い状態で見てもらいたいという姿勢の 現れです。作者すら作品のコンテクストに含まれてしまうということを踏まえた上での選択でもあ ります。一連の制作において作者は自身の存在を作品から消していくアプローチをしていますが、 どこか生きた痕跡や気配が漂います。

川口絵里衣

1990年、青森県むつ市出身。
アパレルファッションデザイナーを経て、ペン画家として活動開始。
ペン・鉛筆を主に、人物・模様・動物等を繊細に描く。
​2017年より、青森県むつ市の「元気むつ市応援隊応援プロデューサー」に就任。

サイトウユウヤ

宮城県気仙沼市に生まれ、米国オクラホマ州立セントラルオクラホマ大学を卒業後、現在はニューヨーク(ブルックリン)を拠点に活動。日本と米国をまたぐ生活を通じて、「人間と都市の関わり」について作品を発表しています。

14歳ではじめたスケートボードを起点に、ストリートスポーツやシティカルチャーを「形状」という観点から紐解くことで、「曲面」そのものを新たな視覚言語として設定。 人、モノ、出来事が過密に交わり、二度と同じ景色を繰り返さない都市を無数のドラマが同時発生しては消えていく、混沌と儚さを内包した空間としてとらえてきました。

また、2011年の東日本大震災では、サイトウ自身も津波によって被災したことで、「天災との共存」という観点から「人間と都市の関わり」について考える契機になりました。「過密であるが故に生じた混乱と、過密であるが故に醸成されてきた文化」。この矛盾を引き受けた都市には、非合理で文化的な生き物としての人間を言い表す鍵があります。

伝統的な曲木技法によるシリーズ作品に加えて、デジタル作品や都市関連の作家とのコラボレーション作品など、複数のプロジェクトを交差させることで領域横断しながら変化する現代の都市像を切り取ろうとしています。

千葉尋

2014年 東京造形大学大学院 造形研究科 修了
大学院修了後、サモア独立国にてボランティア活動に2年間従事。帰国後2017年より作家活動を開始。

大学院在学中より研究していた、葉に図像を現像する手法をクロログラフと名付け、2021年特許取得。

葉に写真を焼くと、不思議とノスタルジーを感じる。そのことから、クロログラフを特に懐古感情と記憶を誘発する装置として捉え、現在と未来の懐古をそれぞれ葉に落とし込む。

本展では、新しい試みとして、記憶の儚さを想像するための立像を制作した。
写真も文字も持たない動物が、日々の出来事や関わる人間から離れたとき、それらをどれほど覚えていられるだろうか。外国で2年ほど飼っていた猫は、9ヵ月別れたのちに迎えに戻ったときには、私のことを覚えていなかった。
動物の記憶について考えると、人間の記憶の大半はデジタルデバイスなどの外部記憶領域に委託していることがわかる。
記憶のなかのものたちは、忘れるたびに新しく覚えなおして、すでに写真と想像のコラージュなのかもしれない。猫が私を忘れたように、写真なしには、私も飼い猫の形は作れない。
原記憶はどこにあるのか(ないのか)、考えて制作した作品です。

neuronoa / ニューロノア

世界30カ国以上を放浪しながら、音楽、デザイン、映像などを制作するクリエイターとして活動後、2021年から本格的にアート制作を始める。「情報社会」というコンセプトを機軸に、ミュージシャンや俳優などの著名な人物をモチーフにした抽象画を制作。人物の表情が読み取れない程に抽象化した表現によって「情報社会」における「真の情報とは何か」を問う。アートの枠を超えて、国内・海外問わず様々なジャンルのプロジェクトに精力的に関わり活動中。常に作品にフォーカスして欲しいという想いから、国籍・性別・年齢・素顔などは一貫して非公開としている。

buggy

雑誌広告を中心に2006年より始動。大阪、渋谷で展開するショップ「ASOKO」のファサードやコンセプチュアルホテル「Rock Star Hotel」の全ヴィジュアルを手掛けるほか、国内外のグループ展や個展などでも活躍する。その他、ブランドやメーカーとのコラボレーションでオリジナル商品なども多数リリースするなど、多岐に渡って活動を続ける。

谷敷謙

私は木目込みというテキスタイルを埋め込む技法で制作をしています。
木目込みとは、今から300年前の日本の江戸時代に賀茂別雷神社の 宮大工をしていた高橋忠重が柳筥を作った時の端材を 削った人形が木目込み人形の始まりです。
昨今、日本の家庭では、雛祭りに飾るお雛様が木目込み雛人形へとなっていきました。
身代わりの型を水で流し災厄を祓う風習だったものが、 子供の枕元に人形を置いて穢れを移すことへと変わり、 現在では飾る事で厄を祓う形へと変化してきたのが木目込み雛人形の成り立ちです。
このように木目込みという技法は、神への器から、親から子へ孫へと命を繋げる願いの器へと 変化しているように私は感じます。
当初は我が子の生きている証を、娘が着ていた古着を用い、 彼女の特徴を誇張した姿勢(PAUSE)のキャラクターで集積させ留めて存在証明していました。
親から見るその作品は彼女の過去が一時停止(PAUSE)して一同に集まり、 現在の彼女が確かに存在しているように見え、目の前にいる彼女と作品を見ることで この先の彼女を想像することができました。
そして最近ではその対象が身内から知人、社会へと変化し、人間の良心が 過去から受け継がれている姿勢を一時停止した場面で現代の古着を使って表現しています。

展示会場

YOSEIDO銀座店 B1F FUTURE LABO

〒104-0061 東京都中央区銀座4丁目5−1 聖書館ビルB1F

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